「遠くに届ける方法はどこ」 河野宏子
芸能人は簡単に本が出せていいなと思う。腕のいいデザイナーによって綺麗に装丁され、書店のいい場所にたくさん平積みされ、あの手この手で人の目を引く広告が打たれ、SNSで拡散され、ダメ押しみたいに別の有名人の帯文つきで、衝撃的な自伝や小説や絵本や美容本が、全国のその本を必要としている人の手元に運ばれていく。
芸能人は簡単に本が出せていいなと思う。腕のいいデザイナーによって綺麗に装丁され、書店のいい場所にたくさん平積みされ、あの手この手で人の目を引く広告が打たれ、SNSで拡散され、ダメ押しみたいに別の有名人の帯文つきで、衝撃的な自伝や小説や絵本や美容本が、全国のその本を必要としている人の手元に運ばれていく。
1
いつから詩人たちは、賞のために詩を書くようになってしまったのだろうか。詩人とは元来、救い主の到来を予感し荒れ野で呼ばわる者であったはずだ。
2
誰かに評価されたい、驚いてほしい、褒められたい。そんなことを思うのは表現者として当然である。賞を貰うということは、少なくとも複数の選者が評価したわけだから、評価されたという証明にはなる。おめでとう。しかし評価証明書を持ち歩く詩人は品格がない。
3
賞を獲ったとたんに、自分が何らかの存在であるかのように急に振る舞い出した書き手を何人も見て来た。中には賞の候補にあがったことで、そういう態度をとる人さえ少なくない。詩人の自恃はどうしたと尋ねたい。荒野を歩いてゆく時に杖となり得るのは、自恃に他ならない。その他のものは重い荷物となってそのゆく道を妨げるのだ。
4
...
毒白、海马体上陸作戦
ハイマーシー上陸作戦
誰かの無邪気が誰かを傷つける時、我々は筆をとらなければならない
誰かと誰かが結ばれた時、我々は祝福すべきだろう
誰かと誰かがすれ違う時、は、はぁ...
めんどくせぇなぁ...
月に2回も騙されたなら、やってらんねーや
オマケに3回目まで持ちかけて来た
付き合いきれねぇ
既読にブロック、スクロールする様にその存在自体を指で滑らかに弾く
わかんだろ?俺は、俺らはボクサーみたいなもんでトレーニングと体調管理に集中する
詩集もラインもあいつにまつわるなにもかも、俺には無駄だ
絵もツイッターも関係ねぇ
テーブルに撒いたタロットカード、捲るんじゃねーぞ?捲ったとしても、お前は俺の思考も未来も読めや死ねぇ
コールドリーディングについての不毛な議論
...
僕の本名は、病院で呼ばれる時だけ使っているような気がする。病院で呼ばれる度に、ああ、そうか僕はそんな名前だったなと思い出す。学校では先生と呼ばれていたから、ずっとそれに慣れていて、それが一番、人から呼ばれる回数が多い呼び方だった。
中古のママチャリで
交通費節約のためにペダルを漕いでいると
う〜
パトカーに止められた
防犯登録を確認させて下さい
警官いわく
ママチャリが
おれの身体に対して小さいので止めたということだった
どういう因縁のつけ方だろうか
中古で安かったがゆえに
多少の縮みは見られようが
ちいかわだっつの。。
村上和成というプロレスラーがいて
「時は金なり」という言葉もある
そうこうしているうち
3分の詩を 2つ朗読できる時間が過ぎていた
それは
せかいを変えるには
充分すぎる時間であると
おれはここ数年の間で
体感していた
歩道の 警官とおれの横
国道何号線かを
プリウスが アルファードが
フィットが タントが
N-BOXが エクストレイルが...
2023 01/19 「LINEで核について話す」白犬×馬野ミキ
「好きになる以外考えられないほど天才的に可愛い年下幼馴染。本気汁×本気汁の孕ませ中出しセックス」
ゾンビのせいがあって
日が暮れてからは本当に外出できない
断じて逃げてないロマンチシズムでもない
生きるということはこういうことだ
過去の自分には想像もつかなかった
こんな世界がくるなんて
ありふれた朝食が食べれなくなって
もう何日がすぎたのだろう
いつ家がおそわれるかわからないので
夜はずっと起きていた
母が死んだらどんな死に方をしても
自分のせいじゃないかとおもう
わたしはどういうふうに生きればいいのだろうか
毎晩黒板にその文字をかいては
消すような作業をしながら
締め切った部屋でタバコを吸う
一服して窓を2センチくらい開けて
外の世界を眺める
どういうふうに生きればいいのかどうか
とかいうことを
考えないようにすることにした
...
2022/07/01 Interview with MIMI-san (元 南青山O'jas Lounge代表。三人の母でもある)
M=MIMI-san
み=稀月真皓
EVERYNESS(エブリネス)=O'jas Loungeで開催されていたオープン・マイク
み:こんにちは。ご無沙汰しております。今日はよろしくお願いします。
M:よろしくお願いします。
み:ミミさんはご自身の仕事としては、メインは今何なんですか?
M:私いろいろですよ。企画相変わらずやっていたり。コンサルとか論文の校正とかできることをやっている感じですかね。企画とコンサルが一番多いかな。
み:ご自分で会社やってってことですか?
M:SHEEDSHIPっていう小さいお店があるので、表立ってはやらないですけどそこの企画とか。
...
私の家には生まれた時から詩集や詩誌が溢れていた。実家の父が詩人だったからだ。私にはお友達がいなかった。人を求めているのに人との交流が不器用だからだ。インターネットがこれだけ普及してLINEやメールが日常に普及しているのに自分からそれらを送る事が出来ないのだ。
実家の父の書斎には詩集が壁一面に並び、夏休みや休日は父が不在の日にはそこで過ごした。父の書斎には学友だったという寺山修司からの葉書が額に入って飾ってある。恵まれた環境だった。眠る前に枕元に置いた詩集を眺め、今日はこれを読んだの?と父が聞かれ、うん、ここが面白くて美しいと答えると父は嬉しそうだった。物心ついた時から詩は日常にあった。
...
夕暮れ時の後ろ姿を見て好きになったんじゃない
アパートの窓越しに西陽が差していて
君の顔、どんなだっけかな
わからねぇけど
窓開いてて
思わず
ひぃって
言って怯んじゃった
逆光で
柔らかい肌といい匂いの
風がふわっとふいたり
あれどんなだっけ
声の語尾が高く上がる感じで
ンフって笑うところとか
すっげぇ可愛いい
影みたいに黒い顔で長すぎる髪に絡まって
身動き取れねえなぁ
でもすっげぇいい
おまえここにいろよ
ずっと
折りたたみ式のテーブルに
置き手紙か
「ざまあみろ」
ビニールの床に髪がさわさわ泳いでって
おまえの顔どんなだっけなぁ/
/ / / /...
単純作業が好きだ。煩わしいあれこれを考えず、身を粉にして働きたい。わけのわからぬあれこれにうつつを抜かすのは暇だからだ。人は暇だから浮気をし、暇だから寂しくなる。紙を入れ、紙を運び、紙を折る。次第に体は熱くなり、徹は研ぎ澄まされていく。
徐々に体があたたまり、いつしか寒気を伴って、ようやくあれ、何かおかしいぞとそう気づく。仕事を終えたのは夜の十時だった。それから徹は電車に乗り、身震いをしながら家路に着いた。
...
待ってる
ずっと待ってる
次のそれが出るまで待ってる
待ってる
吐いてく
弱い奴の特徴を炙りだしてく
待ってる
ずっと待ってる
自らの怒りに恐れおののいてる
待ってる
ずっと待ってる
僕らの時代が来ると待ってる
待ってる
今も待ってる
本当に太い物を書いてく
待ってる
ずっと待ってる
お前より凄いととっくにわかってる
待ってる
今もわかってる
ヒラノよりやばい物は書けないとわかってる
待ってる
固まってる
今も法律に縛られてる
待ってる
ただ黙ってる
普段はこちらからの一方通行片想いで、叶わぬ恋の相手からある日突然連絡が入った。聞くところによると、バイクのバッテリーが切れてしまったらしい。その人の年齢は高齢者という世代ではないが、持病があって最寄りのスーパーまで歩けない事情がある。息が苦しくなってしまうらしい。何せ普段は会うことはおろか電話でだって簡単には話せない。この機会に色々と尋ねたい衝動に駆られるも何とか抑えて、自分が何時になら到着出来るかだけを相手に伝えて電話を終えた。
...
私はヤマザキパン工場のバイトを不採用になる人間だ。
知らん車のガラスをバットで割る人間だ。
要らないベッドを焼く人間だ。
壊れる音が聴きたくてテレビを破壊する人間だ。
一人の人間を愛する人間だ。
それらをシラフでやる人間だ。
だからきいてください。
窘められた魂の墓場になりたい。
大きなグルった空気に後ずさり、人間未満の素質に振り回された人もどきを焼いてやりたい。
俺らが死んだところで鳥も食べてはくれないから、
大量の火薬で空になろうや。
執着が怒りに変わるその同じスピードであなたは縁切り包丁を振るい私の首を撥ねた。
私の首が飛ぶスピードは私が芸術ゴミ集積所にシュートされ四角にされても観測されなかった。
私の血液は人間をする為か?
「全員死ね」という日本語が好きで、
...
1
梅田智江という詩人がいた。後で知ったのだが金子光晴の弟子筋で、放浪詩人のような生涯を送ったらしい。『SO alone』という詩集は僕の最高のお気に入りの一つである。
男は部屋で一人になると
悪いことをやりがちなので
毎日順番に確認に行く
するとみんなびっくりする
プライバシーの侵害だといふ
個人情報だと主張する
或は人間の尊厳であると
そのとびらを壊して
空想の中で
きみの脳で
知らない女を画像とか動画で犯しているお前が
俺に逆切れする世界G線上の
地上で行われるほとんどの犯罪を請け負い続ける伝説のおとこという種
流線型の車を欲しがって
ずっとあたまは小5で
毎夜領地の拡大にいそしむ
ぼくはこの人たちをいためつけなくてはならない
こらしめなくてはならない
或は、慰めなくてはならない
戦場に慰問するたった一人の歌姫のやに
さあおれの胸の谷間をみて欲情しろ
流れるスリットのこの脚に欲情しろ
きみの指先はわたしに触れることが出来ない
なみだを流してミサイルのボタンを押して
...
きみ、ラブレターじゃあなかったんだね。
思い込んだら試練の道
畳×ちゃぶ台=星一徹
「サンタさんへ」
サンタクロースからの手紙は何語で書かれるのか
東ローマでギリシャでグリーンランド
トランプ氏が買えば米語か
つべこべいわず
ああだこうだいわずに
相手に伝わるように書くのが手紙だと
言われればサンタクロースは
どっかでいつかバレンタインと揉める
「視野」
角に突っ込んだ
でんでん
寄生虫のイルミネーション
でんでん
両刀遣いの突き上げる
でんでん
内側に密着するカップル
でんでん
All I want for Christmas is you, yeah