【企画】ヒラノ選 抒情詩の惑星 BEST Poet

2022年02月28日

二月の頭だったと思います。
ミキ君に今までの『抒情詩の惑星』の中でヒラノ君が良いな!と思ったものを挙げ、解説して欲しいと言われました。

雑な書き物になる予感がしますが、それは僕の性格と技術のせいであって、ご紹介する作品は間違い無く素晴らしい物ですので、究極、僕の文章は無視してリンクをクリックしていただけたらと本当に思っています。あなたに知って欲しい事、読んでもらいたい物。



「軽々しく詩人と名乗らない」猫道(猫道一家)

まず。この人達は、こういう文章を書いたり読んだりする人達は、このサイトに寄稿したりアクセスしたりしてる人達は...

「一体どこの誰で何やってんの?」という疑問を解決する手助けになるだろう一番の候補だと思い、ぜひご覧になっていただきたい作品です。これは猫道氏の個人的な視点での独白なのですが、自身が客から演者になったりだとか、当時の「その界隈」を綺麗に、だからそれこそ写真の様に描写してるなと思い紹介したいと思いました。
「詩の朗読?いや、見たこと無い」
        や
「オープンマイク?それって何?」
に対する疑問にかなり画像の解像度が高い、「高いってどれくらい?」
マイクが自分の鼻先に見えるぐらい、それぐらい高いと思います。時代が持つ「臭い」を書けているなと。どんな臭いかって?マイクから漂うツバが乾いた臭い。そう、臭いです。




次にご紹介したいのが二つの作品。これは技術どうこう関係無しに「気持ち良い」「心地よい」という作品でして、なぜピックアップしたかの理由は単純明快、日本語の方言の魅力です。聞くのとはまた違って、文字で見ると、文字からだけでもそこにはリズム感を感じるし(グルーヴ、要するにノリ)力強さと純朴さも感じられる(疾走感?)、いや、感じて欲しいです。まぁ、当のご両人が純朴かどうかは僕は知りませんしそれに関しては一切の責任も負いません。もりなんかは始終チンポいじりっぱなしの内容ですし。 

腐日記・啓蒙と恥(ち)  アレクセイ渡辺

「われた社会の窓から」もり

今回の記事の話をミキ君から頂いてこのような感想に辿りついたのですが方言って大切だし、残すべきだし、まさに多様性のそれだし、やっぱり心地良い。だって、そうだよね。当時のその土地の人達が「この言い方、呼び方、イケてんだろ!」って言って流行ったのですから。



「私は大人です」蛇口

詩とことば(1)序辺 感動はいらない 奥主 榮

今のロシアとウクライナの緊張状態を思うとご紹介せざるえません。



「畑のこと」へちまひょうたん

あったかい。あったかい、というか生暖かい。この「生暖かい」と感じる物は他にも数作あったのだが...  
野菜って収穫するまでは実は暖かいのでは?と妄想させる作品でしたのでご紹介させて頂きます。




みきくんこんばんは  すなけちゃん(snake)

これはすなけちゃん(さんも必要?)が抒情詩の惑星の編集長である馬野ミキに宛てて送った個人的な手紙、という体裁であり、これまでに10通以上が送られ、インターネットにそれが流出してしまった感じのものである。あまりにも濃密かつせきららな海外での経験が綴られており、『地球の歩き方』では絶対に採用しない、しかし本当の事実がこれでもかとツラツラ連なって行く。しかもすなけちゃんさん(ちゃんさん?)、普通にお話のテンポも良く、ぐいぐい引き込まれる。これは全米をブン殴ってさっさと泣かせて書籍化すべきちゃんさんだと思います。 



そして、これを。
「なぜ私は歌うのか」中村アリー
小松菜奈と菅田将暉の映画の様な、いや、もっとギャラの張る役者の出ている映画...
だから映画の様な、まるで映画を見ているような...
ビジュアライズされていく一行、一行。その変換が脳内で完了するまでの時間が圧倒的に早い。こうも早いと本当に見えている気になる。誰かがツイッターで彼女のアカウントにこう書いていた。「まるで映画を見ているみたいです!」って。その一言、まさに。



馬野ミキ「ポイントカードはいらない」について 加美悠

本サイト「抒情詩の惑星」の編集長である馬野ミキの作品に対する批評。これ、書いてる加美氏もたぶん狙って、だから面白がって書いてるのかしら?と僕は思っている。何しろ馬野氏が書く、描く、それが本当に気が狂ってるのだから。そして白衣の彼らの前で背もたれの無い丸椅子に座り、やっと承認を得る男。クッソ真面目な文体と、そこで取り上げる作品のキテレツかつリアリティーのある表現。そのギャップ。
ここで興味深いのはサイト内で作品同士が巡回を始めているという新しい構図。加美氏の作品を理解する上で過去の馬野氏の作品に触れる事が有益であり、それがクリック一つで成されるというのは書籍では出来ない事である。



最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。ご紹介出来なかった素晴らしい作品、もちろんあります!いっぱいあります!ぜひ今後とも『抒情詩の惑星』をご贔屓にお願いいたします。力不足かとは思いますが今、イマ、ぜひ読んで頂きたいそれらをピックアップさせていただきました。 




ヒラノ