過去の記事

娘と入った子ども食堂に子どもはいなかった
中年以上熟年未満の男女グループがテーブル席を埋めていた
カウンター席のスツールは娘には高かった

―ここ、いいですか?
一人で四人掛けのテーブルに座っていた男性に相席を頼んだ
―どうぞ、どうぞ
―ありがとうございます
男性は愛想よく続けた
―ここも空いてるよ
娘に
自分の膝を指して

こういう男がいるかぎり
この国の性教育は
どこまでいっても息子たちにコンドームをつけさせることが
最終目的にしかならない
母たちは息子たちに
性加害者にだけはなるなという
否定形の圧力をかけることしかできない

夫たちが食器洗いをするのは
妻にセックスしてもらいたいからだ

「してもらう」「やらせてあげる」
以外のセックスを知らない両親から生まれた子どもたち
そのうち子どもが生まれなくなって
...

八月、夏、平日、水曜日
東京都港区、クソ暑い、増上寺

傍の小さな坂を手を繋いで、二人で、汗をタラタラ、テクテクと歩いて行く

「暑いね?」でも、それだけでは手を離す理由にはならない、少なくとも僕は、
僕は

あなたもそうだろうと勝手に決めつけて坂をのんびりと登り続ける
スキップにも似たステップ
「嬉しい?」「嬉しい!」
それが、本当に嬉しい
アホらしいフレーズの応酬

あなたと一緒に居られるなら、たぶんなんだって楽しいのだろうな
恋なのか?愛なんだか?わからない
嬉しいと楽しいが交錯して、とにかく愛おしい
ウケるねwww 大好き!

右手に交番、左手に公園、そしてバス停、連なる観光バスと修学旅行生、
駐車場、そして大きな塔、大きな、それはオレンジの塔

「こんなに?」 「そんなに?」 が連鎖し、大きくなり、上へと昇っていく膨らみ
...

暗渠に落ちる水のにおいに
今日一日分の体臭を思い出し
わたしたちは手早く仕事を眠らせて
坂道を下る
どこかで誰かが挨拶をしているのが聞こえる
古い鉄扉のように
今日のしめくくりを
それで宥められるはずもないのに

徒労と空腹の夜を
何かほかのもので満たそうとしたわたしたち
水やりを忘れた鉢植えに
二〇年ぶりに季節が舞い降りるような
そんな話は
やっぱり二〇年に一度しかないことを知っているくせに
迂闊な言葉を襟口から差し入れようとして
いつだってしたたかに擦り剥くのだ

駅から下る街並みには
すでに夜のくつろいだ明かりが灯っているのに
街路にあふれた「飲み込めなかったもの」たちが
坂道を流れて
不満げな襞になってひろがる
はしゃいだ声で言い換えた挨拶は
踏みつけるたびに飛沫をあげて
植え込みに差し込まれた吸い殻のように
...

この9月から抒情詩の惑星を引き継ぐにあたり、抒情詩の惑星とは何だろうかとここ数日考えてきたが、やはりトップページにある言葉、これに尽きるのではないかと僕は思う。

人間復興ー
マスクのなかの声と言葉を

ごく一般のフツー人の、胸に
通じる詩、言語、表現力を提示していこうとする態度がこのサイトの趣旨です。

このように抒情詩の惑星の指すところは文芸復興ではなく人間復興であり、そうありたいと僕自身考えている。

人間が人間たる所以は2つあり、1つは噂話ができること、そしてもう1つは嘘をつけることだと以前に何かで読んだが、なるほど人間はやりたくないことをやることができ、話を盛ってより自分を偉大に見せることもできる。
...


馬野さんから、抒情詩の惑星のなかでお薦めの記事を挙げて欲しいと連絡をいただいてから、随分とのらりくらりとしてしまった。云い訳なのだがサイトが更新される都度読んでいたわけではなかったので、大体の記事の揃いの輪郭は摑まなければと思っていたし、お薦め記事を書いたあとでもっとお薦めなものが登場していたら困るからだ。それから、他のお薦めを紹介しているひとの記事も読み直した。

私が、抒情詩の惑星で必読だと感じ入っているのは一名のみ、平居謙先生の シリーズ短小突貫へンタイ式連載「現代詩とは何かー答える」である。
平居先生のことは合評会で先生としていらっしゃるからであって、また教員としてのお仕事もなさっているからだが、この部分に於いて忖度しているわけではない。ただ、呼びやすいから、先生と付けている。
...

私にとって詩とはなにか、というお題で作文を書けとみきさんに言われた。私の詩は、他者に読ませられるれべるでは無いので、まずは作文から、ということらしい。一応5年程詩をこつこつ書いて来た身としては、かなりの屈辱である。でも、私の詩の実力が雑魚なのも確かだ。から、素直に従おうと思う。ただ、はっきり言って、詩とはなにか、ということをしっかり、かつ滔々と述べられたら、それはもう1流の文学者だと思う。中卒の私には酷なお題だ。たぶん今時漫画のひーろーとかでもやらないれべるのきつい苦行、或いは初期装備でらすぼすに挑む位の難行じゃ無いだろうか。でも、恐らくみきさんが今の私に期待してるのはそういう文章では無いのだろう。「私にとって」と付いている。私にとって。そうした文章なら、だいぶ、とても、易しい。私にと...

明日朝起きたら生きてるといいなぁ...

ライブツアーを始めたばかりの頃は
主に新幹線か鈍行での移動だった
障害者割引を駆使しながら
しぶとく、そして、図太く

ツアーを始めたばかりの頃は
20代前半だった
俺は若過ぎたのもあり
高速バス移動を極力避けてた

当時から高速バス横転炎上事故とか
多発してたし
万が一、乗車してたバスが事故って
巻き込まれたくなかったから

それでも1999年の冬頃、大阪は江坂ミューズと名称が変わる前のブーミンホールでシンセのサポートメンバーとライブした後の帰り、初めて夜行バスを利用した

あの日が初めてだった会場だけど
天井が高く、ホールも広く、照明も格好よく
何より音がよくて楽しかった
商店街の中にあったデパート
東急ライブプラザブーミンの5階
楽屋が屋上で移動が少し面倒だったけど

...

マグカップの中を泳ぐ金魚
誰の悪戯だと訊くと私だと係長
一体これはどうしたんです?
屋上のウォーターサーバーから出た
先月退職した藤山田さんが私費で設置した
あれ麦茶が入ってるんじゃなかったです?
灰皿の横に設置されていたせいか
唯一の喫煙者である彼専用だった
退職日の笑顔は真っ黒に日焼けしていた
ビーチパラソルも買えば良かったのに
餞別の麦わら帽子を素直に喜んでくれていた
サーバーは週明けに業者が引き取りに来る
水は夕立が沁み込んだのだろうと結論した
金魚については誰も口にしなかった
藤山田さんのすぐ隣にあった闇の中に
棲んでいた金魚が手にした器を泳ぐ
引き取り先を募る為にB4用紙を一枚貰う
一階のロビーに貼れば
知らない人が読むかもしれない

電話の繋がらないコールガール、処女膜はなにも捕捉しない、ガリガリの力士と三段腹のマラソンランナー、サンマの煌めきとダボハゼの貪欲さはペーソスを誘う、無免許のソープ嬢と自転車に乗れないピンサロ嬢、綺麗な大便とテロリズム、絶対に外さないタイガーマスク、黄金色の小便とリアルゴールド、老婆のパンチラ、感じない鋭い尿意、硬いゼリー、気に入らない好物、タイドプールに住む深海魚、泣きながら老爺を刺し続ける幼児、誕生日に自殺する牛、詐欺の天使、サギの仮面を被ったインコ、電車を乗り継いで江戸時代へ行く、令和のバス停で昭和行きのバスを待つ、交通事故現場でSNSに接続しながらマックを喰らう、水中で笑う赤子、暑い暑い死にそうだと鳴いている蝉たちと虫かごを振り回すトウモロコシの群れ、投げやりな弁護士と緻密な性格...

4度
目が覚めたので
4回目はパソコンをひらいてツイッターをみて彼氏のつぶやきをお気に入りに入れたら電話が来た

彼氏がサイレンとモードにし忘れたらしく「お気に入りに入れたよ通知」が いってしまっておこしてしまったようだ
失敗
午前5時半頃だったのでおきていてもいいような時間だったのでまあよかった

そのままぼやぼやと眠たい目でウォーキングにいく
涼しい
が蝉が活発に鳴いている
昨日はわりと寝付く頃は熱帯夜だったが今は寒いくらいだった
今日のお天気はなんだろう

昨日は散髪にいってきてボーイッシュなくらいばっさりと短い
鏡を見るとき一瞬ドキッとする
誰だろうこの人は

いよいよ今週末にイベントがやってきた
人は来るのであろうか?
こなさそう
閑散とした中ひびくポエム達
まあ
なればなれよ

...

一年前「抒情詩の惑星」をはじめる頃、自分は万年床にてほぼ一日ラジオを聴いているような生活であった
大島健夫くんが企画してくれた「抒情詩の惑星」創刊記念朗読会でも話したが
「抒情詩」という単語は、古溝真一郎くんが自分の詩集「キム」を紀伊国屋書店のフェアで配布された冊子にて評したくれたところから着想を得、このホームページの作成に至った
送られてくる原稿を、自分に届いた一通の手紙として読んだ
それはちょっと、贅沢な時間だったのだと思う
ほいでも掲載を見送った方や作品もあって
しかしそれらは今もデスクトップの抒情詩の惑星フォルダに収められていて
時々想う

ご注文が集中しています
一緒にツラい恋愛を乗り越えてきた彼女は付属しておりません
そうか
そうだよね
今日も飲みすぎよう
飲み屋の君は、今日、千度目の
追加ドリンクオーダーいただきました
を言う
トレイで運ぶグラスのドリンクたちを少しずつこぼす
つんのめって、何を拾う?
至上の時ならいいのにね
今日も飲み屋のテレビは
バレーボール女子日本代表
吉沢選手は相手からのサーブを待つ間
よく鼻を手でこすっていて
それにバリエーションがあって可愛い
杉山選手は常に焦点の合わない目をしているが
ブロックが決まったときに誰よりも大口を開けて喜び可愛い
常に冷静沈着な高橋選手は
相手のマッチポイントでも淡々とスパイクを決め
逆転したときに屈託のない笑顔だった
可愛い
そして大友選手
サーブを打つ前に常に神経質に床にボールをバウンドさせる
...

そう思った、書きたいとか書くつもりもないとか、そういうのと別のところがソワソワしていた
このフワッって感じは説明が難しいんだけど、
なんか突然バーンってきて
高揚する
自分の中身と外のなんかがくっついてドッカーンってなって
爆発してキラキラする
もー書きたい、いま書きたい、そんな感じ

わたしはいつもあなたに、わたしはアジアゴールデンキャットを飼っているのだと言うのですが
ほんとうはわたしはアジアゴールデンキャットを飼ってはいないのです
うしろめたい気持ちがわたしの奥底の、かわいらしい取っ手のついた白いちいさな陶器の花瓶からこぼれそうになると
わたしはあなたにあやまる手紙を書き始めます
ゆるしてください
わたしはアジアゴールデンキャットを飼っているというのは、あなたの気を引きたいあまりに話を盛っていました
わたしがほんとうに飼っているのは、ボルチモアムクドリモドキなのです、と
しかしわたしはやはりボルチモアムクドリモドキも飼ってはいないし、実はそれがどんな鳥かも知りませんので
良心の呵責に耐えられなくなり、わたしの手紙は、途中からフロリダの夏の素晴らしさをたたえる手紙に変ってしまうのです
...

旱空の下で命の限り蝉が鳴き続けてる...

あの日、終電逃してなかったら、マクドナルドが現在のように24時間営業だったら、下北沢駅に南口広場がなかったら、深夜、ヤケクソになって歌ってなかったら、当時あった立ち飲み屋で働いてた北海道の夕張から来た謎の男に声掛けられてなければ、翌夜の初ライブとか正式に表現活動始めてなかったかも知れない。