過去の記事

二〇二三年一月、世界の空気を破るように橘上と山田亮太と劇作家の松村翔子による四冊セットが「いぬのせなか座叢書5」として登場してきた。内訳は、橘の二〇一八年の即興朗読ライブを橘自身が文字化した一冊、山田による反応連動詩一冊、松村による反応戯曲一冊、橘の連動詩一冊である。テキストの準備なしで発音したライブを、橘は記録から文字に落とし込み、山田と松村はその体験を内在化して作品をまとめ、橘自身も別詩を書いた。飛び跳ねる声と言葉を受け止め、時間空間身体の制約を越えて、山田と松村と橘は断続的に続行する心的ライブを取り出しながら作品を作った。感覚の時間はリニアではないので逆戻りも追体験も可能だ。共通するフレーズや連想など冊子同士のコレスポンダンスもあるが、それぞれが独立した四冊である。拙稿では山田と...

気持ちを言葉で言ってくれなきゃわからない
きもちをことばでいってくれなきゃわからない
きもち ことば いって
きもち ことば いって
きもちを言葉で言ってくれなきゃわからない
きいもちいうをことばあでえいってくれなきゃあ

なに言ってんのかわからない

なにも言わなくてもわかれよ

わかるでしょ
わかれ

分かれ

気持ちを言葉で言ってくれなきゃわからない

つまんねぇセリフ、吐きやがって。
音楽でも聴いてろよ、本返せ。
扇風機じゃぬるいだろ。
火の鳥みたいな生命
感じとけ。
エロかったら、あといっかいくらいやるから。
アイス買ってきてくれる
いいねぇ、やるじゃん。

そうとこ、そういうとこだよ。レシート捨てといてな。






連休前に同僚が「この連休は、じっくり家で論文を書くんだ!」と意気込んでた。やる気オーラが身体から放たれている。むんむん煙が出てる感じだ。どうしても書かなければならない本があって、その中の何章かだけでもじわじわ書き進めておきたいのだという。「偶然!全く同じだね!」と心の中で握手した。10日間をパーフェクトに使えればかなりのものを書くことができる。


ところが好事魔多し!実家のご両親の容態が思わしくなくて、連休中は遠方の実家でまるまる過ごすことになってしまったそうだ。そんなメールが連休初日にやって来た。「うーん、それは大変ですね。。。」と励ましのメールを打った。ところが自分もその直後、どこかそれに似た状況になってびっくり。「偶然!全く同じだね!」とまたまた心の中で握手した。


...

中学生位から、僕はボケていた。
テレビドラマに見入り、
明るい曲を聞き、
将来、なんて語彙もなかった頃にもう、
漫画家かシンガーソングライターに
なりたいと思っていた。
夢と妄想の分別もつかない、
だらしない人だった。
高校にはいってからも、
夢だか妄想は、暫く続いた。
現実は厳しいのに、気がつかなかった。
20代の頃は、40歳位には、
吟遊詩人のようになりたい、或いは
パソコンと音楽ソフトで、
自作の歌のアレンジがしたい、
と思っていた。
僕は嘘つきです
楽しい事を考えて生きて、
そしてそれがいつまでも続くことを
願っていたのに、型にバコっと嵌まった
誰かのセリフに影響されていたんだ
好きな歌ランキング
1 犯罪
2 ビールの王冠
3 ニコチャン星人の歌
4 パックマン
5 玉入れ 運動会

色鉛筆はじめて使ったその時に世界が全部描けると思った

【改作案】
色鉛筆のはじめて使う色たちよこれで世界が全部描けると

この改作案をお読みになられての、けんごさんのご感想を
要約させていただくと、

原作では「色鉛筆」と、それを使って感動している「私」の
2つの登場人物がいるけれども、
改作案では、色鉛筆と言う「物」を主人公にする事で、
「色鉛筆のはじめて使う色たちよ」と色鉛筆に語りかける人の
「うわっ!やった!」という気持ちに読む人の目がいく。

という部分を興味深く拝読しました。

短歌は31音の短い詩型なので、
感動の一点突破に向いているんですよ。
(もちろん、そうではない短歌もありますが)

「色鉛筆のはじめて使う色たちよ」と色鉛筆に前面に出し、
そう思っている人物は、歌の背後に存在させる。
...

雑司ヶ谷のアパートが取り壊されることになり
二十歳そこらで自分は池袋の路上に住まうことになった
いまタクシーが溜まってるとこさ、中央に花壇なんかが備え付けられたロータリーがあって
その花壇を取り囲むよふに石のベンチがあってそこで寝泊まりしてた
俺だけ特別に若かったので大概かわいがられた
西口と東口の路上生活者によるマクドのゴミを巡る抗争
その和解
俺は夜になるとそこで歌ってた
バブルがはじけた後だがそれでもあの頃、毎日斜向かいの銀行に小銭を貯金しにいってた
PUNKSの女友達が訪ねてくる
「ミキくんちょっと臭うよ」
その子暫くして、高円寺でライブの後にレイプされたと言ってたその子の友だちが

AI太郎は東京で生まれた
タクシー運転手として街をまわっている 無
事故無違反 免許証はゴールド
しかし、ある日 踏切で立ち往生
あ、電池切れだ!
オレンジ電車はぐんぐん大きくなって近づいて来る
屋根の上にいた吾輩はぴょんとすぐに逃げ出した
AI太郎はバラバラになった
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏

部品は回収されて工場に運ばれた
そこで新たに組み立てられてAI花子になった
(とても美人で着物が似合う吾輩好みの黒髪である)

吾輩はAI太郎のことを忘れてAI花子と暮らし始めた
(これから吾輩は親愛の情を込めてハナちゃんと呼ぶことにする)

元は金持ちだった父親が破産して、家から居なくなった。しばらくして、母親も居なくなった。24時間営業のゲームセンターでしばらく暮らした後、施設で育てられた。施設ではいつも一人で遊んだ。

拾った水槽に何百匹もイナゴの大群を詰める。
水槽を胸に抱きかかえメッシュの上蓋を閉めて、殺虫剤を吹きかける。

「水槽の中で、イナゴが一斉に、もがき苦しむ振動を抱きしめることで、自分の哀しみを抱きしめることが出来た」と僕に話してくれたバイトの青年。今は仮想通貨に興味があると言っていた。


死産した双子の死体遺棄で在日ベトナム人技能実習生に有罪判決
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けんごさん、こんにちは。秋月祐一です。

はじめての挑戦で七首のみごとな連作を作ってくださったけんごさんですが、
「連作」はとても奥が深いですよね。

歌の並び順によってもガラッと印象が変わりますし、
歌と歌の響き合いによって世界がふくらんでゆくし、
場合によってはストーリー展開も可能だし、
逆に、一首独立で、トーンによって連作を成り立たせることもできるし。

けんごさんもお気づきのように、
連作を編むときは、一首ごとの行間の距離感みたいなものを、
設定することが必要となってきます。
そこに連作を作ることのむつかしさと醍醐味の両方がかかっている。
そんな気さえします。

けんごさんがお読みくださった、ぼくの三首の連作。

【参考例】

地底湖に落としたカメラ ぎこちないきみの笑顔を閉ぢこめたまま

...

ご推敲ありがとうございました!

「連作」

こんなのあるんですね!
色々な感覚を、短歌にしてみたいなと、思っているんですが
やっぱり
短歌で!
一首で!
一瞬を!
では収まらない事もあるので
「連作」良いっす!
目から鱗ポロリしました!

今回は歌が多いので
前回のリンクを貼らせていただきます、

第八回はコチラです。

このワークショップお読み頂いている方にはお手数おかけしますが
秋月さんのキレッキレのご推敲をぜひもう一度お読みいただきたいと思います!

今回の、「連作」を詠んでいてはじめに一度
詩の様な
小説の様な感じの、
書きたい事を、全部詰め込んだものを書いて
そこから場面を、ひとつひとつ切り取っていってみました。

そしたらですね、アレも足りないコレも足りない、
もう一首たそう、もっと入れようって感じになり歌が増えていったんですよ。

...

第一回公演は、「ある夜の出来事」というタイトルにした。フランク・キャプラ監督による古い映画のタイトルを流用している。(原典は、「或る夜の出来事」。)
参加者の方々が描かれた詩を、一つのプレートの上で対等に並べていくという主旨。この回では、「ある地域で一晩のうちに起こったこと」という設定で、個々の作品をまとめていくことにした。
もしも、真昼間の詩を描いてくる方がおられても、何とか統合してやるぞ、といったぐらいの気持ちもあった。

実は、この頃から僕の立場は微妙なものになっていた。
...

「※(1)困った人は困っている人」
前述の言葉を肝に銘じて働いています。自ら手を挙げて、困りごとの説明が出来て、指示や提案に従う人がスムーズに必要な支援や制度に繋がっていく実情はあると感じています。福祉とは言えサポート側は契約制度を通して本人と関係する人が大半です。問題の背景には、本人の困りごとの整理や意思決定、(もっと深く踏み込むならばその)欲望形成にまで粘り強く関われる人を十分に配置出来ない仕組みによる影響も幾らかありそうです。
...

1907年
「僕には才能がありますか?」シーレ
「才能がある?それどころか有り過ぎる!」クリムト

1914年
「新しい芸術家はごくわずかしかいない、それは選ばれし者、他ならない」シーレ

「接吻/分離」
https://poetry2021.webnode.jp/l/%e3%80%8c%e6%8e%a5%e5%90%bb-%e5%88%86%e9%9b%a2%e3%80%8d%e3%83%92%e3%83%a9%e3%83%8e/

「彼から最早、教えてもらうことはない」そう言い放ち、あれだけ世話になったクリムトを蹴飛ばす様にウイーン芸術アカデミーを飛び出し、反目していたエゴン・シーレ

彼の短い人生で、その自画像の多さは少々異常だ
絵描きであり詩人でもあった彼の死

死までの間、200枚以上の自画像を描き遺した
...

起きて
チープトリックの「Surrender」が頭のなかでリピートで鳴り続けている
セブンスターに火をつける
煙草代は収入の1/3を占めている
以前は吸殻を取っておいて再利用していたがたるくなった
冷凍ご飯をチンして味噌汁のぶっかけご飯にする
ちなみにこの「ぶっかけ」という単語は世界でも通用する日本語だそうだ
変態お兄ちゃんたち
そういうわけで音楽が脳みそで鳴り続けているので
敢えて音楽を聴くということはあまりない
二重で音楽が鳴ってしまうからだ
朝食をなめたけで〆コンサータを放り込む
このところ朝型に戻ってまた服薬をはじめた
糞をする
ツイッターを観る
フェイスブックも
PCの電源を入れる
いまの若い人はパソコンを持っていないそうだが俺には考えられない
あの小さな画面でちまちまと作業をする気になれない
...

なまえだけ良くなった
そのクリニックから
まるで密室みたいなエレベーターで地上に降りて
ファミマのまえの信号待ち
山手線の内側に住む人たちがもつ独特の品の良さと他人の素振りで横断歩道を共に歩き
カフェ裏の駐車場の隅
少しずつ輪郭がくっきりしてきた日陰と日向の間で
煙草に火をつけ
処方箋に書かれている通りの薬を
バッグに仕舞う

さっきの横断歩道から
大柄なスリーブレスの白人女性が
ぼくらの後ろを歩いている
憧れの日本に来たけれど
少し照れてスマートフォンを見てる

西門から僕等は代々木公園に侵入し
案内図のまえで立ちどまり
二又で左を選んで
きみは遠くにシェルティーを見つけたと言う
僕にはまだ見えなかった
以前クリニックにデイケアがあった頃
お昼の散歩でそういえばここに来てドッグランがあったなあと記憶がほぐれてきた頃
...

僕はもともと、集団での行動というのが苦手な人間である。子どもの頃から、運動会の入場行進の練習をさせられると、右手と右足を同時に前に出すような、そんなしょうもない輩である。また、僕が考えている舞台美術や音響、音楽、照明もつくりこんだ朗読を中心とした舞台をやる以上、それなりの出費があることは覚悟していた。入場料をいただいた上での公演とすることも前提であった。

T-theaterを本格的に始動させるにあたって、僕は、こんなことを他の参加者に伝えた。第0回公演の前か後かは覚えていない。「みんなで力を合わせて何かやったといった達成感に酔い痴れないでください。それは、お金を払った上に、足を運んでくださった方々に失礼です。わざわざいらしていただいた方々に、自分が何を見せたいのかを第一に考えてください。」
...

生まれた瞬間から
壊れはじめる
自転車のタイヤは摩耗していくし
あの声の輪郭はぼやけていくばかりだ
決して枯れない泉を私は持ちたいと、それを証明したいと、
バケツで水を汲み出す毎日です
でもそのようなものはないのだと
どこかで感じながら





けんごさん
僕と一緒に短歌のワークショップをやりませんか?

秋月さんにそう声をかけてもらった、
秋月さんは僕のバンドのライブを観に来てくれて
その時僕が
百韻連歌ってのをやった事があって
とても面白かったので又やってみたいって話をしたり
何がどう面白かったのかとかたくさん話をしました。

百韻連歌は
数人で集まって誰かが最初の575を詠むと
他の誰かが77を詠むってのを、
ずーっと続けるもので
友達に誘われてやったのですが
とんでもなく面白かった。


脳みそフル回転で、
これ以上離れたら繋がらなくなる、
できるだけ遠くの言葉を探したりする

夜寝ている間に降り積もった雪を
ドアを開けて気がついた時みたいな
そんな感じの、
え?
え?
みたいな
意外なんだけど続いてる感じの言葉がやってきてパチンって場面が変わって
おおおーってなった所に

...

いかにもありそうだから、
妄想になる。
作家など、それを良しとする職業もある
彼は昔と訣別して、自分の世界にいる
よく話をしていた頃の話は
ほとんど全部妄想だった
結局後でそう知った
妄想なのか有効な嘘なのかは知らない。
親友だと勝手に思っているので、
真に受けちゃった
随分まことしやかなセンをつくなぁ。
僕は竹林で一晩眠った事がある。
おや?これは妄想じゃないぞ?
だけど僕にも妄想がある。
夜が来て、布団に入ると、
寝付けるように、素足を布団から出して
気持ちいい程度の涼しさにして、
劇場が始まる。
どうしてか幻聴があるのだ。
自分の耳にしか感知できない。
まず声を聞き分け、名前をつける。
そうしたら僕の頭の中の
ドラマが始まってしまう。
要点をつけば、妄想を発散しているのだ
孟宗竹(もうそうちく)って確か
食べられるらしいです。
...