「日乗の主体、客体、宿望」村山トカレフ
電話の繋がらないコールガール、処女膜はなにも捕捉しない、ガリガリの力士と三段腹のマラソンランナー、サンマの煌めきとダボハゼの貪欲さはペーソスを誘う、無免許のソープ嬢と自転車に乗れないピンサロ嬢、綺麗な大便とテロリズム、絶対に外さないタイガーマスク、黄金色の小便とリアルゴールド、老婆のパンチラ、感じない鋭い尿意、硬いゼリー、気に入らない好物、タイドプールに住む深海魚、泣きながら老爺を刺し続ける幼児、誕生日に自殺する牛、詐欺の天使、サギの仮面を被ったインコ、電車を乗り継いで江戸時代へ行く、令和のバス停で昭和行きのバスを待つ、交通事故現場でSNSに接続しながらマックを喰らう、水中で笑う赤子、暑い暑い死にそうだと鳴いている蝉たちと虫かごを振り回すトウモロコシの群れ、投げやりな弁護士と緻密な性格...