「詩人と出逢うこと」椿美砂子
私の家には生まれた時から詩集や詩誌が溢れていた。実家の父が詩人だったからだ。私にはお友達がいなかった。人を求めているのに人との交流が不器用だからだ。インターネットがこれだけ普及してLINEやメールが日常に普及しているのに自分からそれらを送る事が出来ないのだ。
実家の父の書斎には詩集が壁一面に並び、夏休みや休日は父が不在の日にはそこで過ごした。父の書斎には学友だったという寺山修司からの葉書が額に入って飾ってある。恵まれた環境だった。眠る前に枕元に置いた詩集を眺め、今日はこれを読んだの?と父が聞かれ、うん、ここが面白くて美しいと答えると父は嬉しそうだった。物心ついた時から詩は日常にあった。
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