「今日で地球は滅びるけれど」大島健夫
今日で地球は滅びるけれど
ベランダの福寿草の鉢植えが、もうじき花が咲くよ
今日で地球は滅びるけれど
ベランダの福寿草の鉢植えが、もうじき花が咲くよ
ゲリンピックが始まった。世界中から集められたゲリ娘が切磋琢磨する恒例行事である。ゲリ娘はゲリゾンビの幼体で10年ほどアイドル活動をした後にゾンビ化して街を徘徊する。僕も昔はゲリ娘の一員だったが今ではもうすっかりゾンビの身体に馴染んでしまった。基本的にゲリ娘は女子高生である。年齢は17歳。永遠の17歳。生まれた時から17歳。ゾンビになっても17歳。ゾンビにならなくても17歳。何故なら17年前に人類は滅亡して入れ替わりに僕らが産まれたからである。そもそものキッカケは新世紀初頭におけるゲロナヴィールスの流行だった。ゲロナは老化を早める問題があっためゲロナワクチンには老化対策が施された。その結果としてワクチンを受けた17歳以下の子供は17歳以上に成長することがなくなった。正確には17歳以上にな...
広東省の夏は暑いです。
湿度も高いので日本の暑いとは違った空気の重い暑さです。
汗をかいても湿度が高く汗が蒸発しないので気化熱で体温を下げることができません。
ここでの夏の過ごし方は日中はゆっくり、夜に活動する、そんな感じです。
あとは水をいっぱい飲んで、日陰でゆっくり休んだりします。
一度熱中症らしい症状になったことがあります。
手がしびれて暑くてふらふらしたので冷たい水を買って首にあてて涼しいところでしばらく座っていたらよくなりました。
学校にも
会社にも
病院にも行かず
スマホも
パソコンもない
夜が
朝だった
あの交番の赤い電灯の角を曲がると元カノの部屋だ。
元カノと言っても二人、もと子とかな子。
もと子は綺麗な女で、ショップに勤めていた。
ファッション関係だった。ファッション関係だったが、部屋には床の間があった。
もと子はそのことをひどく気にしていた。
もと子は販売員としての成績はあまり良くなく、
収入の大半を出会い系サイトのサクラの
バイトに頼っていた。サクラのはずだったが、
時々は男と会ったりするようで、
もと子は夜になると出かけ、ある日を境に
全く部屋に帰ってこなくなってしまった。
いざ異世界へ
Planet Earthの現実にはいろいろ疲れ果てていたし
その根本原因は半分自分にあったがもう修正の効かないものも多かった
ユニットバスの汚れた鏡の前で上下の入れ歯を外し
頬の黒子から伸びた白髪をピンとつま弾いて
俺は万年床で胸に静かに手を合わせ
あーめんそーめん冷そうめんと呪文を唱える
忘れてしまったわけじゃない
自分の年齢を誰に向かってでもなく叫びたくなる夜や
地図の果てまで自転車を駆って
日が暮れて結局帰ってくる家
容れものは少し古びて(しなびて)
あの頃みたいな張りはないけれど
中身はあんまり変わらない
メモリーの容量はもう増えない
日々うつろになる記憶と
ときどき不意に戻る思い出
あきらめの悪い向上心を連れて
第一章 顰蹙をかうようであるが(4)
第一話 暴力を描いた作家(後篇之2)
お昼過ぎ、山間部の集落で畑を借りて耕作している10人ほどが集まり、荒れ地の開墾作業が始まった。地元からは2名、あとは奈良県内や大阪から畑に通う人たち。親子連れもいる。荒れ地の広さは100平米ほどだろうか。かつては耕作地だったらしいが、今は背丈よりも高い草や竹藪で覆われ、ほぼジャングルである。
...
奈良の山間部にほんの小さな畑を借りて、野菜を育てている。
畑を始めて3年目になるが、秋冬野菜が初めてうまくいった。昨年まではほとんど育たないか、育っても獣に食い荒らされるかだった。この冬は野菜を買わずに済んでいる。台所の野菜が残り少なくなるたびに、スーパーヘ買いに行くのではなく畑へ採りに行く。とても幸せなことだ。
とりわけ人参と大根は豊作だった。白菜やキャベツは、ひどい虫食いに悩まされ成長もイマイチだが、自分一人が食べるには何も問題はない。秋に収穫した大豆は計ったら1kgあった。ようやく自分の大豆で味噌を仕込むことができる。
この前二日連続で小説を貶され、落ち込んでいた。私が小説を書くことに本格的に取り組んだのは、4-5年前のことでわりと日は浅い。それまで私は趣味でスパイ小説を書いていたが本格的に小説家を目指すようになったのは
病院に入院中に仏さまが私に降りてきて小説を書け。というお告げがあってからである。
ある人に小説家になるんだったら、同人誌を作らないと駄目だ、と言われて究極Q太郎さんに相談したところ、ずっと昔に書いた純文学の小説を究極さんが凄く気に入って、よし、やるか。となった次第である。純文学系の同人誌になったのは、究極さんの方針。私が純文学に向いているということから、と記憶している。
愛と情熱を胸に
希望というたいまつを片手に
この現実を進もう
氷の国の民の魂に火をつける為に
人間の優しさを取り戻す為に
我の名は芸術。
人間を目指す者。
すべてはいま、この瞬間だから理解できる。
今際の際だからこそ、わたしにはわかる。
手元にケータイがあるのに
遠くからバイブレーションが聞こえてきて
安易に
今日は昨日とは違う日だ
という当たり前のことを知って
ふと
今は冬なんだということを思い出して
縮こまった体を伸ばし
肩についたノイズを払って
空白の切れ目から
よいしょっ
と
一歩を踏み出す
それが
紛れもなく事実であったことに
私は驚き
それに対して胸を撫でおろした自分に
また驚いて
開けてしまったワインボトルを蹴とばして
「自由が欲しいです!」
と叫んだ
今は
午前4時半だ
広州へ移動しようと考えた私はすぐにいくつかの大学を調べました。
その中で学費が安い広東工業大学に決めました。
寮は到着してすぐに入れるかなど電話で聞いたときに、トイレが様式か和式か知りたいと言ったら「知るか」と言われたことをよく覚えています。
シリーズ 短小突貫ヘンタイ式連載
「現代詩とは何かー答える」(4)
言葉はみんな花だから-詩と花と両義性
みんな同じことを祈っている
懐かしい音は暖かい
ここはずいぶん暖かい
あったかくて
血液が沸騰しそうだ
小学生の頃、作文で
あなたの好きなものを
書けと言われた
なにを書いたか全く憶えていない
一人ひとり作文を声に出して読むことになったが
退屈で頭になにも入ってこなかった
(みんな下手くそだな)
大きくて小さいかなしみだ
明けては暮れるおひさまだ
願っては叶うことない
そこない
別にない感情の波
むかしなつかしい
そこない
なにもない平原だ
むかしなつかしい
あられもない
わけじゃない
村の片隅にあった小屋の中のにおいだ
天変地異
むかしなつかしい
選ばれることのない
えーえんのてっぺんのおわり
あしたこない
そこない
めそめそする
やかんをわかし
旅館に泊まり
一泊の夢をみて
二泊目の空白に祈り
ささげ
二重の意味で
三泊目の暮れなずむ石の道に拾い
ささげ
もう死ぬ死ぬ
とさわぎ
大袈裟に
「入んなさあい、入んなさあい」
夕暮れ前、午後4時になるとがらがら玄関の引き戸が開いて、年老いた女が表へ呼びかける。通りで待っていた数人の子供たちは、それを合図にぞろぞろ家へ入っていく。