「不思議なバス」中川ヒロシ
小学校の同窓会でバスの運転手の杉浦君が言った。
「以前は〇〇観光のバスの運転手で、修学旅行なんかの仕事が多く、皆が降りる時に『ありがとうございました』と言ってくれたし、時には何か差し入れをくれたり、一緒に写真を撮ったりした」
今は、高齢になって、市バスの運転手になったそうだ。
杉浦は、お客様が下車する時、全員に「ありがとうございました」と挨拶するが、誰一人声を返してくれる人はいないという。
「なあヒロシ、子供の頃、『挨拶しなさい』って、俺たちは、教えられたよな、おまえは、運転手に、挨拶するやろ」とあの頃と同じ目で杉浦は、俺に言う。「うん、してるよ」と言ったけど、ごめんな杉浦、俺もしてないよ。
小学5年の時、誰がリーダーか決める子供の決闘みたいなことをした。
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