べつに
面白くない日々
隣に置いてある
焼そばの菜箸みたいなもんで
やすいもやしがからんで19円の
俺の特別な日々
Jacarandaのギターが笑っている
おまえのやっているのは青春か
こーらじゃなくてびーるにしておけばよかった
何度も思うけれどコーラ
かけたマグカップを使って飲む
ナンダカンダデ0カロリな
嗚呼これでいい
中途半端にふざけた顔して
かわいい奴
笑うんだそんなm7
食卓の後片付けを
あーそうですね
と言わんばかり
フォーンが見つめる俺の何
ドラキーにつかまりながら
はぐれメタル
はぐれのさとり集めたいねえ
マグネットプラグを
絡まりにくいたたみ方で
片付ける
いいねぇ片付けるって...
過去の記事
スポークンワードの良さは、その場のライブでの即時的な感動があることだ。言葉そのものの力に加えて、人や環境の影響を受ける場合もある。紙の詩集の良さは、書き手がどんな状況であっても、書かれた言葉は読み手の心中で再現されることだ。もちろん、その良さの反対で、ライブで面白くないこともあるし、紙で読んでも生き生きしない言葉もある。
ともちゃん9さいが亡くなって4年の今年、ぬくみりゑが編集した『確かめるすべのない両想いが死ぬまで続いてく』という彼女の詩集が出版された。私はこの詩集を手に取るまではともちゃん9さいのライブしか知らないので、スタティックにしーーんとしてしまった言葉たちがどれほど彼女の声を伝えるのだろうか?と思う部分もあった。
...
「第二詩集 青の引力に添えて」椿美砂子
私はずっと逃げて来ました
戦うことを拒み流されるまま、逃げて生きて来た記憶しか情け無いけれどないです。
詩集をまた刊行出来たらいいと第一詩集を刊行した時、夢を見ました
私には逃げた記憶しかないのでこれは逃げた日々の記録の詩集です
十代の頃、同じ劇団で見果てぬ夢を共に追い青春を駆け抜けたミュージシャンでありアーティストでもある関口誠人氏に詩集の帯を依頼しました
快く了承して頂き嬉しかったです 夢を追っては打ちのめされたあの頃の私に詩集を作ったよと教えてあげたい。
詩集の宣伝で申し訳ないです。
九月二十三日に
土曜美術出版より
第二詩集青の引力が刊行します。
書店で手に取って頂けたら嬉しいです。
「ハローワークスーパースター」 馬野ミキ
メルカリで買ったベリンガーのディストーションのペダルを踏むと
エレキギターの音が歪んですごく伸びて増幅する
それが気持ちいいのでディストーションは健康にいいと思う
気持ちが拡大して、音でこころが開かれるふう
もちろん早起きすることや運動も健康にいいらしい
だから最近は朝から立ってゲームをしている
トマトジュースも一気に飲む
野菜は健康にいいだろう
行ったことないけどソープランドも健康にいいと思う
大江戸線のエスカレーターが混んでる時には階段を歩くし
何しろストレスが一番よくないのでむしろ働かない
ハローワークスーパースター
健康のためにぼくは、職安の庭でセブンスターを吹かす 。
「岩楯」ヒラノ
俺達は男子校だったのだが男子校は意外と女子校との交流が多く、互いの元同級生の女子校に進学した子と頻発に連絡を取り合い、お互いの学祭ともなればそれはもう一大イベントで出会いの場、週末ともなればあちこちで男女複数名で集まりカラオケでコンパをしていた
だが、人数合わせであっても岩楯が呼ばれているのは一度も聞いた事が無い
そうして高校3年間が終わり岩楯は日本大学に進学した
そこでウソの様な本当が起こる
その校舎の1年生でトップクラスのとても可愛い女の子と付き合う事になる
その子を仮に「A子」としよう
A子は男子から絶大な人気があり付き合いたい、告白したいという者は多数いた
岩楯は多くの嫉妬を買った
だが変人の岩楯だ、気にもしない、というか気づいてすらいなかったのかもしれない
...
「雨は、神さまのおっぱい(4)」荒木田慧
ゴミ収集車がのろのろと通りを近付いてくる。
車体のスピーカーから流れ出る、調子はずれな電子音。
夏の午睡のあとの気怠さ。行き場のないノスタルジー。
聞き覚えのあるメロディだが、これはなんという曲だったか?
木曜日の午後遅く、海を見に行った。
終点までバスに乗り、漁港から堤防沿いをまっすぐ歩く。
干潟へと続く通りに、ひと気はほとんどない。
雨上がりの空はミルク色をしている。
日没に間に合うだろうか、振り返ってイサムを急かす。
大きな風車の足元に堤防の切れ目を見つけ、砂浜へ降りると干潟がひろがる。
海へと続く細い足場の向こうに、ちいさな赤い灯台が見える。
あそこまで行きたい、とイサムは言う。
やめておけ、と引き留めるがイサムは言うことを聞かず、私は結局イサムのあとを追う。
...
一、話芸に関して
小学生の頃、家の真空管式のテレビは、よく故障していた。今にして思えば、テレビばかり見ている子にならないように、壊れても放置していたのかもしれない。だから、僕は同年代の方たちと話すときに、テレビ番組の思い出というのが欠落しまくっている。当時のテレビ番組についての知識は、そうした欠落感から、大人になってから必死に穴埋めしたものである。
...
「Life goes on.」西村太一
ためらい傷があったり、
ネコをいじめて引っ掻かれたり、
精神病院にぶっこまれたり、
変な声が聞こえてきたり、
毎年毎年躓いて、
言えない事もあったり、
自分の瑕疵を美化して酔っぱらったり、良いことと言えば、
少し災難を避けられるように
なった事かな?
凄惨たる過去があり、
もうそれは遠い昔の事であり、
至って安直な悪ぶりをしても、
すべて脳内で古い過去になった。
1日も早く死ねますように、
なんて御仏壇に願った事もあった。
でもイヤです。死にたくないです。
、とコーヒーを飲みながら、
一息着いています。
良いことも新しい事もありますが、
そんな事が続いていくという事。
9月10日(日)文学フリマ大阪11へ。
会場は天満橋OMMビル。ブースの出店は720、一般来場は3135人。
ともちゃん9さいがなくなったことをスパンから電話で伝えられた翌日は、子の七五三用の記念写真をスタジオで撮る日で、私とぬくみりゑはひと晩泣き腫らした目で消え入りそうな笑顔のまま家族写真に収まった。ともちゃんのことは、子へはもうしばらく日が経ってから伝えた。
「手の中には」Tsu白ma yuko
グラスの底、1ミリの液体
グラスの底、1ミリの液体
甘くし過ぎたみたい
心の中にはきみとあなたのこと
仕舞い込む
わたしの手の中には
手の中には150円が握りしめられている
「泥の匂い」西村太一
いつも最悪な事態を
想像してから何かに手をつける。
その事態に陥らないように、だ。
後は、ちょっと位の失敗は、
気にしない。
最悪な事態を想像すると、
自分が泥の匂いの上に
しゃがんでいるような、
何とも言いようのない、
静かな気持ちになる。
頭の中で自分と言い合っている。
それはさっき言った
それはさっき聞いた
総意だ
僕のからだが泥に
なってしまったようだ。
なんて清々しくて
気持ちいいんだろう。
昨日は風邪気味なのに寝不足で、
今晩はぐっすり寝ようと思って、
夜中何回か起きたけど、
ちゃんとぐっすり眠った。
今朝体温を計ったら、平熱だった。
からだがどろになった感覚って
良いんです。僕には。
「開業数年後の頃」 中川ヒロシ
朝起きる度 何か減っている
ケロッグだけを大量に食べる
死ぬまでが毎朝
タイの女子大生の制服をマネキンに着せる仕事でアダルトショップに行く
日本で最初にタイの女子大生の制服を輸入したのは僕だ
最近スカートだけ万引きしていく奴が多い
スカートだけ万引きして何をするのか僕は考えたことがない
ただ一人でも多くの人に
タイの女子大生の制服を買って欲しいだけだ
年寄りくさい考え方だ
実際随分歳を食った
もう色々諦めなければいけないと思うし
諦めたらダメだとも思う
晴天の光が店内の縛られた小学生の
エロ本を照らす
人が金を払っても欲しい本ばかり並ぶ
ペペさんの思い出と私の回顧録 アレクセイ・渡辺
ペペさんの数多い友人の中で、取り立てて、私がぺぺさんと親しかった訳でもなく、また、特別な関係を築いたわけでもない。 ペペさんについて書いてみないかというお話を頂き、迷った末に書いてみようと思ったのは、ペペさんとの交流が私の人生の節目節目で大きなものであったことであり、私が私の人生を読解するうえでも重要であるからだ。ペペさんの追悼であるこの文章は、また一方で私の回顧録でもある。
ペペさんに何を与えられその都度何を私は考え、行動してきたのかというペペさんについての記憶を呼び起こす作業であり、それはある意味ではきつい作業だ。
「道へのオード」究極Q太郎
(五年前のある日、散歩を始めた。次第に距離を伸ばし、長い時間をかけるようになる。そのうえ体に負荷をかけて歩くようになった。やがてまったく疲れなくなり、いつしか世界が別様に見えるようになっていた(クレイアニメのように見える)。それを私は「サンパーズ・ハイ(笑)」と自称していた。
そんなある晩。ニーチェが(その先にストア哲学が)「永劫回帰」と呼んだものを体験してしまう。私の生を現在あるようあつらえてきたものが、この先もずうっとこうあつらえていくだろうという観念(運命愛)が体を包み込んだ途端、映画『マトリックス』のワンシーン、光記号の羅列が列車のように走り抜けるシーンにも似た、あんなふうな「走馬灯」とおぼしきものが私を走り抜けていった。私はそれに打ちのめされ、ただただ慄いてしまった。
「落日」ヒラノ
「うん」否定の意味
「うん」意味の無い返事
俺の所属するバンド、「ビューティフルシット」
俺はボーカル
よくある音楽性の違いだとかとは違い、単純に人間関係の煩わしさが激しくなり過ぎ、バンドの崩壊秒読みだった
先輩だ、後輩だ、友人だ、地元の何とかが入り乱れて誰も収拾できなくなってしまっていた
そんな時に俺をスカウトしてくれたメジャーのバンド「グリル」
グリルはテレビの地上波の夜のスポーツ番組のイントロにも使われるほどの実力派バンドで、ツインボーカルにしたいという事で声をかけてくれた
バンドの人間関係で、こんな荒んだ精神状態の時にありがたい、ツインボーカルにも興味が有り加入を決めた
葛藤は無かった
そしてビューティフルシットの連中を嘲笑った
「お前らなんかにゃ誰も興味は無ぇ!」
...
「日記たち」モリマサ公
月曜日
わたしが読むより他の人が読んだ時の方が
ずっといいと思う事が本当によくあるし
それ以前にみんなの詩がすごいなーとおもってくやしくなる
いつも
最近も
でも詩を書いたり読んだりしてる
「生きているものは美しい」
なんて
うつくしい
意識する
息をゆっくり吐ききる
風景がみえる様々にトレースする
立体感
スピード
匂い
温度
湿度
質感
振動
空気 空間 レイヤーが重なっていく
めまいのように重心を失いながら
みんなどこかに向かっていて
目をいろんな意味で開いていた
あるいは閉じていたのかもしれない
あたしは
第三の目(額の中央)で注意深くあるいは
視覚的にわかりやすく
様々なスタイルあるいは時間の流れかたや意識
1
現代詩とは何か。この問いを巡って2年近く書いて来た。そろそろおしまいにしよう。
そう、終わりは突然やってくる。それが現代詩だ。
2
このことは前にも少し書いたかも知れないが、朗読会に行けば分かる。みんな生真面目に聞いている。(おれみたいに聞いていない奴もいるが)。ところが最後が分からない。終ったのかどうか、分からない。
3
舞台に立っている奴は、何度か終わりが分かってもらえなかった経験があるとみえて。詩を読み終えると〈ありがとう〉であるとか〈〇〇という詩でございました〉などとあいさつをする。親切なものだ。それで、あ、終わりだなと分かるシステムである。間抜けである。
4
...
「周辺シ 9」クヮン・アイ・ユウ
小学生だった頃は風邪をひいてよく休んでいたなと思う。社会人になってからはほとんど風邪をひかなくなった。あの頃は、親から学校に連絡をしてもらっていて、その時の何とも言い難い緊張感と、静かに、そして確かに抱いている期待感を自覚していた。
...
「雨は、神さまのおっぱい(3)」荒木田慧
蛇と鳥。
月と太陽。
神話は詩だよ、とイサムは言う。
台湾の街では、通りの至るところに道教の神さまを祀る廟(びょう。やしろのこと。)を見かける。日本の寺や神社のように大きな廟ももちろんあるが、台湾の廟に特徴的なのはその場所と数だ。ふつうの雑居ビルの一階のひと部屋に、店子のように廟が入っている。まるで神さまのコンビニエンス・ストアではないか。
アパートから出た通り、スーパーの向かいに建つ雑居ビルにも小さな廟が入っていた。扉は開かれていて、誰もが自由に出入りできる。覗くと「金母」の文字があり、祭壇に祀られている像は女の神さまのようだ。道教には神さまがたくさんいるが、台湾で最も愛されているのは「媽祖(まそ)」という女神だという。この神さまも媽祖なのだろうか。
...